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ビットコイン(BTC)マーケットレポート【22年7月-第二週(11〜15日)】

  • 前週の振り返り

まず7月第一週の振り返りについて。前週は、6月末の急激な価格暴落に対して反発するような展開を見せました。しかし5,6日の週後半には前半週の反発を打ち消す形で再び下落方面へ向かう展開に。要因としてはNY市場における10年債、2年債における逆イールドが発生したことで、景気後退(リセッション)への警戒が再加速しました。

逆イールドとは?

逆イールドとは、短期金利が長期金利の水準を上回る状態(長短金利の逆転現象)を指す。 一般的に、過度な金融不安や過激な政策変動により短期金利が急騰したことで生じるために、その発生後は景気後退が訪れるケースや株価が調整に転じるシグナルとされている。

この時点では、米FRBパウエル議長による7月のFOMC(連邦公開委員会)における0.75%利上げを示唆したことで、米国株やビットコイン価格を左右する米FRBの利上げ動向に対して、市場は0.75%利上げを織り込み済みの状況となります。米経済指標のみならず、Glassnodeのデータでも、先月末の急落に対する投資家の心理が移り変わっていることを示すデータが示されました。

7月4日付のGlassnodeのレポートによると、先月にビットコインが37.9%の記録的な損失となったことについて、過去11年間で最悪のパフォーマンスを記録したと説明。これはBTCネットワーク上の活動も、2018年〜2019年の弱気相場と比較しても同様の低レベルであるとし、「BTCネットワークは、ほとんどすべての投機的なエンティティ、およびマーケットの観光客が資産から完全にパージされた状態に近づいている」と指摘しました。

レポートでは続けて、投資家の蓄積レベルをエビ(1 BTC未満)とクジラ(1,000〜5,000 BTC)と定義し、バランスは「有意義に増加」していると説明。これは、5月中旬から以下のトレンド累積スコアメトリックの画像を見て分かるように、でほぼ完全なスコア(青)を示しており、チェーン上のバランスが増加していることを示しています。

トレンド累積スコアメトリック

特にエビは、現在のビットコイン価格を魅力的と捉え、グラスノードによれば「史上最も積極的なペース」で毎月6万500BTC近くを買い増しされていることを示し、これは1ヶ月あたりのBTC供給量の0.32%に相当する枚数となります。

これらのデータが示す内容をまとめると、市場投資家は6月末および、それ以前の一連の急激な下落に対して、ポジションを再度積み立てていることが分かります。ビットコインが将来的に成長すると確信する投資家は、今後の長期的な成長の段階で、現在の20,000ドル付近の価格帯が非常に安価であると確認するデータ内容となります。

そして7月6日、6月のFOMC議事要旨が発表されましたが、インフレ情勢や金融政策の道筋をめぐる新たな手がかりは無い、サプライズの無い内容でした。これにより、ビットコインなど仮想通貨市場が僅かに価格上昇。BTCは20,000ドル付近での価格攻防を続ける展開となりました。注目の7月FOMC会合における利上げ幅については、前回のパウエル議長の0.75%の観測も若干弱まり、0.75%もしくは0.50%利上げ観測が均衡する展開となります。

【7月第二週】ビットコイン(BTC)市況|経済指標が重要ポイントに

  • 米雇用統計が発表

7月第一週の週末最終日(8日)、同週の好調な価格推移によってBTCは、22,000ドル半ばまで価格を上昇させていましたが、米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る結果となりました。内容は、市場予想を10万人ほど上回る37.2万人増。また、平均時給も予想を上回る結果となり、前年同月比5.1%の上昇。失業率は予想通りと、サプライズ感もありませんでした。

Trading View

しかし、米雇用統計の発表を受け、米国経済に対する悲観的な見解が後退する一方、米FRBによる金融政策における更なる利上げ加速への観測が高まり、米国債金利および、米ドルも上昇する動きが見られた対照に、BTCは上値は重く、連日の22,000ドル半での価格をキープすることができず、週明けの11日時点では再び、20,000ドルへ反落しました。

  • 米消費者物価指数(CPI)への懸念&中国コロナウイルスの再懸念

そして翌日12日から週末にかけて、ビットコインの値動きについて。12日も前日に引き続き、ビットコインなど仮想通貨市場全体が全面安となりました。これによりビットコインは、4日連続の陰線を記録しました。

前日に引き続き下落した要因は、主に2つ。まずは中国のコロナ対策での規制を強めるとの見解が広まりました。上海市が10日、新規感染者が69人だったことを発表し、これは5月後半以降で最多記録を記録しています。そして2つ目。13日に発表を控える米消費者物価指数(CPI)について、ジャンピエール米大統領報道官が、米CPIについてガソリンと食品を含む全体の数字が「非常に高い」水準になるとの見通しを明らかにしました。このような発言は珍しく、現状のインフレ率の高さへの懸念と、今後の高い継続的な利上げについて懸念が加速し、米国株を含めビットコイン価格が下落する要因となりました。

そして翌日発表される米CPIの市場予想について。CPIの市場予想は8.8%(1981年以来最大の伸びとなる見通し)と、5月からさらに加速する見込みであることが織り込み済みであり、一部アナリストでは9%という市場予想もありました。

  • 米消費者物価指数(CPI)発表 → BTC下落もすぐに反発

そして注目の米消費者物価指数(CPI)が13日、発表されました。内容は、前年同月比9.1%の上昇と市場予想の8.8%を上回る結果となり、米FRBによる利上げ予想が0.75%を超え、今月27日のFOMC会合にて1.00%の利上げ予想が急激に上昇することになりました。

利上げに対する市場予想は、0.50%は大幅に減少した反面、0.75%利上げの確率が22%、1.00%利上げの確率が78%と大逆転する結果となり、当然、ビットコイン価格は下落。20,000ドル、さらには19,000ドルを下回る18,000ドル後半まで急落しました。

Trading View

しかし発表後、急落したビットコインですが、米バイデン大統領が予想を上回る伸びとなった米CPIについて、「古い」情報だと指摘。最近の米国におけるガソリン価格が下落していることを理由に挙げたこと。さらには、投資家の警戒感が前日から強かったこともあり、「噂で売って事実で買う」という心理が大きく反映したことも影響し、ビットコインは反発。発表後からは20,000ドル台まで価格を回復させています。

翌日には特に大きな動きはなく、大手銀行やFRB関係者による発言が目立つ1日となりました。FRBウォラー理事は7月FOMC会合において0.75%利上げを実施を支持。「指標が予想通りであれば、7月の会合でも(前回と)同様の幅の利上げを支持する。FRBは価格の安定を再確立するため断固として取り組んでいる」との発言。さらには、米セントルイス連銀のジェームス・ブラード総裁は13日の日本経済新聞のインタビューで、通常の3倍にあたる0.75%の利上げを支持すると明言したことが、下げ幅を限定+反発へ向かわせる安心材料となりました。