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【取材】Axie King アルちゃんに聞くアクシーの魅力!今後はeスポーツとカジュアルゲームの両方に拡大

根強い人気を誇るNFTゲーム『Axie Infinity(アクシー・インフィニティー)』。このアクシーを最初にYouTubeで日本に紹介していたのが、『Axie King アルちゃん』です。

彼は現在アメリカのロサンゼルス在住。アクシーの日本コミュニティのマネジメントやイベントの開催など日本のマーケットを担当しています。

YouTubeを始める前には音楽業界で働き、自身もジャズトランペット奏者として活動していたアルちゃん。彼がどのようにアクシーと出会い、今ではSky Mavisの日本人メンバーとして働くに至ったのか、その背景に迫っていきます。

AxieKingアルちゃんになる前の経歴:音楽大学、ジャズトランペット奏者としても活動

ScholarsLab編集部

本日はよろしくお願い申し上げます!Axie King アルちゃんがどのようにしてアクシーに出会ったのか、アクシーの魅力や今後についてもお伺いしたいです。

アルちゃん

よろしくお願いします!Axie King アルちゃんです。ロサンゼルスに来てからもう12年くらいになります。ロサンゼルスの音楽大学を卒業し、卒業後はミュージックプロデューサーとしてキャリアをつみました。

またトランペットを小学生の頃から吹いているので、ジャズトランペット奏者として毎週のようにLAでライブをしていました。

ScholarsLab編集部

YouTubeを配信するにいたった背景をお伺いしたいです。

アルちゃん

アクシーの情報発信として、Axie King AruchanのYouTubeチャンネルを始めたのは2021年5月です。実はそれ以前にもいくつかのチャンネルをやっていて、ずっとYouTubeで活動をしていました。一番古いものですと2010年の時に、友達と一緒にオリジナルソングにラップを付けたミュージックビデオもあります。

しかし2020年に新型コロナウイルスがアメリカで流行。街がロックダウンになったので、音楽業界もかなり大きな打撃を受けましたね。ライブやスタジオに入るような仕事さえなくなってしまったので、当時は何か新しいことを探さなくてはいけない、と考えていました。

そこで新たに今のAxie King Aruchanのベースとなる、ゲーム実況のYouTubeチャンネルを始めました。ドラゴンボールやポケモンなど、みんなが好きなゲームコンテンツのリアクション動画をのせるチャンネルです。

ScholarsLab編集部

最初はゲーム全般の配信をするチャンネルだったのですね。そこからアクシーを主軸に移したきっかけなどはあるのでしょうか?

アルちゃん

1年以上毎日動画の投稿をしていましたが、内容もほかの人とかぶっているっていうことであまり再生数は伸びませんでした。YouTubeもやめてしまおうと思ったタイミングで、偶然アクシーのニュースを見つけたんです。

フィリピンでゲームをプレイしながら生活している人の記事を見つけてしまって、「これはなんだ?」「絶対知らなきゃダメじゃん!」って思って調べ始めました。

しかし調べ始めてみると、英語の記事は少なく、日本語にいたっては一切記事がなかったんです。そこで自腹で1500ドル分のアクシーを購入して、アクシーの動画投稿を始めました。

ScholarsLab編集部

当時は情報もまったくなく、投資が無駄になる可能性もある中で大きなチャレンジでしたね

アルちゃん

それでもアクシーを購入して動画を投稿したところ、普段は2桁の再生数しかなかったのが、いきなり数千再生くらいまで伸びました。それで「これはみんな興味があるのかも」と思って継続的にコンテンツを出したんです。多くの人に見てもらえるようになったので、アクシー専門でやっていこうと決めて、Axie King Aruchanのチャンネルができました。

ScholarsLab編集部

Axie King Aruchan誕生秘話ですね!

アルちゃん

今となってはYouTubeでも、日本語でアクシーの情報は出てきます。しかし当時は日本語での情報はないし、本当にこのゲームが詐欺かどうかすらわからないような状況でした。リスクはかなり高かったと思いますが、そのリスクを背負ったおかげで日本人初めてのアクシーYouTuberになることもできました。

アルちゃんがSkyMavisに関わるきっかけはCEOの極秘面接?

ScholarsLab編集部

今ではAxieの日本コミュニティを担当していらっしゃいますよね。どのような経緯があったのでしょうか?

アルちゃん

ロサンゼルスで開催されたアクシーのミートアップがきっかけですね。そこにアクシーのファウンダーJihoが居ました。実際にお会いして「僕はアクシーが大好きで、アクシーがあったおかげで、人生が変わりました。」と感謝を伝えたんです。

そしたら次の日にJihoから連絡が来て、ご飯にさそっていただいたんです。そこから意気投合し、NFT NYCにも誘っていただきました。そしてニューヨーク滞在中にJihoに「僕の家に遊びに来ないか」と言われて、2週間ほど遊びに行ったんです。

ScholarsLab編集部

すごい流れがはやいですね笑

アルちゃん

ここまででもすごい経験なのですけど、まだ続きがあります。最終日の夜にベランダでビール飲みながらゆっくりしていたら、突然Jihoが「よし、お前は合格だ」って言ったんです。

最初は困惑しましたが、わけを聞いてみると、これまでの出来事は実は面接だったと。

ScholarsLab編集部

ええ?

アルちゃん

そこで「アクシーで働かないか」とお誘いいただいたんです!俺はその時喜びがおさえきれなくて、マジで本当に泣きそうになりました。

アクシーで働く以前はコロナの影響で音楽プロデューサーの仕事もなくなっていました。そこから一転してアクシーで働けるようになったんです。

YouTuberのシンデレラストーリーみたいなものだと思います。本当に人生が変わりました。

2022年4月に正式に、Sky Mavisの日本アンバサダーとして、働き始めるようになりました。

Sky Mavisに入ってからのキャリアについて:Roninハックとコミュニティマネジメント

ScholarsLab編集部

ありがとうございます。2022年の4月というとRoninのハッキング事件の時とも重なると思います。

アルちゃん

はい。Roninハックが発表された直後でした。ハッキングが発表された時はLAでミートアップを予定していたので、まさにどん底の日でしたね。当時はとにかくコミュニティに正確な情報を伝えて、落ち着いていただくために毎日15時間ぐらいSNSに張り付いていました。

イベントを開催した日も、Jihoが来てくれる予定でした。彼も責任者として勇気を出してきたのだと思います。当然イベントでは罵倒を浴びせられると思っていたのですが、意外にもイベントに来てくれた人たちは、みんなアクシーをサポートすると言ってくれたんです。

ハッキングがあったけど、みんなで乗りこえるぞと一致団結できた。ハッキングが起こった直後に、オフラインのイベントを開催しておいて良かったです。

ScholarsLab編集部

Roninのハッキング事件を経て、コミュニティの活動としてはどのようなことをされていますか?

アルちゃん

Sky Mavisの業務としては英語でしか出ていなかったアクシーのコンテンツを、日本語で出しています。日本語アカウントのTwitter、Substack、Facebookの運用です。他にもアクシーオリジンズのゲーム内の翻訳も担当しました。

また7月にはアクシーを代表して日本のNFTカンファレンスやパネルセッションに登壇。IVSクリプト那覇やNFTokyoなどのイベントに出ました。

常にコミュニティとアクシーが盛りあがるには、何をしたらいいんだろうっていうのを考えながら過ごしています。

アルちゃんの考えるAxieの魅力について深掘り!

ScholarsLab編集部

ありがとうございます!ここからはアクシーの魅力について、日本のコミュニティマネージャーとしての意見を伺いたいです。

アルちゃん

魅力という意味ではアクシーが発明したスカラーシップモデルが魅力的だと思います。「初期投資の費用がなくて、参入できずに困っている人たちを助けられる」というモデルの存在にびっくりしましたね。自分でもスカラーシップを30人ほどやっていました。

スカラーさんの中には「アルちゃんのスカラーシップのおかげで、おじいちゃんに薬を買えました」というメッセージをくれた人もいて。もうスカラーシップはやっていませんが、いまだにメッセージをくれる人もいます。

アクシーがなければこれほど人とつながることはなかったと思います。その上に経済的なサポートもできたので、アクシーの魅力はゲーム以外にも本当にたくさんあるんです。

ScholarsLab編集部

素敵なお話ですね

アルちゃん

そうですね。ただ、もともとアクシーもPlay to Earnを強調していたわけではありません。むしろメディアなどで拡散された言葉です。アクシーはPlay&Ownというモデルを大事にしています。

なのでメッセージとしても稼ぐことがメインではなくて、楽しいカードゲームであるというのがポイントです。

またカードゲームに限らずアクシーというNFTがパスポートになって、他のゲーム体験ができます。アクシーのNFTが「パスポート」だと、たくさんの人に知ってもらいたいですね。

Axieは今後どうなっていくの?アルちゃんに聞いてみた

ScholarsLab編集部

アクシーのNFTがパスポートになるとのことですが、今後はどのように展開していく予定なのでしょうか?アクシーの今後について伺いたいです。

アルちゃん

まず僕から見たアクシーの特徴はベアマーケットにもかかわらず、毎月のように新要素、新機能を出していることです。これほど短期間でたくさんのアップデートをしているプロジェクトは他にないと思います。アクシーには最高のチームが揃っていると思うので、2023年もWeb3の最前線にいるでしょう。

今後はコミュニティからのフィードバックを受けて、eスポーツとしての質を向上させていきます。またビルダーズプログラムという、アクシーのIPを使った新しいゲームを作れるプログラムがあります。こちらも新しい展開が見られるのではないでしょうか。

ScholarsLab編集部

なるほど。eスポーツ化とビルダーズプログラムですね。まずeスポーツ化するにはどのような部分に力を入れていきますか?

アルちゃん

アクシーがより良くなるには、ゲーム中に存在する沈黙の待機時間をなくすこと、つまりアクションが速く、テンポもよくなるといいのかなと個人的に思います。

そして日本には11月に世界一を獲得したde-hiさん、YUUさん、minoさん、Kenkenさんのような素晴らしいプロプレイヤーがいます。彼らの活躍によって日本でアクシーがすごく盛り上がりを見せていて、その熱が冷めないように、コミュニティのみんなと連携を取りたい。2023年はどこかのタイミングで大規模なトーナメントを開催できたらいいな、と思っています。

ScholarsLab編集部

それは楽しみですね!続いてビルダースプログラムについても伺えますか?

アルちゃん

ビルダースプログラムは、コミュニティのプロの開発者がアクシーのIPを使って新たなゲーム体験をRonin Network上で作れるプログラムです。すでに12〜14ぐらいのゲームが承認されていて、2つがローンチしています。

カードゲームが難しいと思うプレイヤーの方でも、アクシーのレーシングゲームだとハマってもらえるかもしれない。ユーザーさんたちを楽しませるような、コンテンツをたくさん出していきたいと思っています。

個人的に見たいのは、ビルダースプログラムの e-sports大会ですね。たとえばアクシーのレーシングゲームを開催してもいいわけです。より幅のある大会形式が見られるようになったら、おもしろいと思います。

ScholarsLab編集部

新しいゲームとしてランドゲームも出ましたよね?

アルちゃん

2022年の12月にホームランドという、どうぶつの森のようなゲームができました。自分の土地に建物を建てて、作物などを育てながら、自分のアクシーをダンジョンに連れて行ったり、他のランドオーナーの人たちと一緒にチームになって冒険に出たりするといったようなゲームになっています。

今までオリジンズのカードゲームは戦略性が高いし、選択肢も非常に多くて人を選ぶところがありました。ホームランドみたいなゲームだとカジュアルに楽しめます。配信者の目線としても、今までよりもゆっくりで、違ったコンテンツを出せるようになるかなと。

ScholarsLab編集部

なるほど!ランドやビルターズプログラムなど、カードバトルだけではないカジュアルな楽しみ方が増えていくというイメージですね。

アルちゃん

そうですね。あとはRoninネットワークが、第三者の開発者向けにチェーンをオープンしたんですよ。要するに、Sky Mavisとパートナーになった開発者であれば、アクシー以外のIPをRoninチェーン上に展開できます。

これによって、既存のWeb2のゲーム開発会社さんたちがRoninネットワークとかに参入してくれるかもしれない。これも今後の展開の楽しみな部分だと思います。

Axieの魅力はコミュニティの意見が通り、コミュニティの人から中の人になる可能性もあること

ScholarsLab編集部

この記事を読んでアクシーに興味を持った人もいると思います。読者にむけて メッセージはありますか?

アルちゃん

お伝えしたいことは2つあります。

1つ目はOriginsを無料で遊び始められることです。アドベンチャーを進めていくと、スターターアクシーという無料の、NFTではないアクシーを集められます。ここで手に入れられるアクシーは強いので、他の人たちとPVPでバトルすることもできます。

2つ目は自分なりの貢献をしていると必ず誰かが見てくれていることです。ただのコミュニティメンバーだった僕が、YouTubeでの発信をきっかけにSky Mavisで働けるようになりました。

ScholarsLab編集部

個人の活動を誰かが見てくれている、そして報われるのは素晴らしいことですよね。

アルちゃん

そうですね。僕のストーリーを通して伝えたいのは、情報発信や様々な形で貢献し続けていれば、それをみてくれている人は必ずいて、いつかその努力は報われるという事です。

僕は誰でも同じ道をたどれると思っています。なので、自分の貢献は小さい事だと思わずに、皆さんもツイートや、動画を載せるなどと発信をしてみて欲しいです。

アクシーをこれから始めるには?媒体別にオススメを紹介

ScholarsLab編集部

アクシーに興味を持った人にオススメなどあれば教えてください。

アルちゃん

これからアクシーを始めようと思っていて、動画で情報を知りたいっていう方は、ぜひ僕のチャンネルをみてください!チャンネル登録もよろしくお願いします!

バトルに特化した情報を動画で知りたいのであれば、de-hiさんのチャンネルがオススメです。

また公式の日本語翻訳も手伝ってくれてているコミュニティメンバーのバックスさんという方がいます。初心者でブログ記事を読みたい方はぜひバックスさんの記事を読んでください。

オフラインでは毎月東京で開催されるAxie Labsがあります。対面でアクシーの情報を知りたい、コミュニティの人たちと繋がりたいという人がいればこちらのイベントがオススメです。

最後に:アルちゃんのルーツを探る:これまで影響を受けたのは?

ScholarsLab編集部

最後にアクシーとは関係ないですが、アルちゃんの人生に最も影響を与えた人や作品はなにがありますか?これまで音楽活動をされていて、今はアクシー発信の第一人者になられたわけですが、その背景にあるものをお聞きしたいです。

アルちゃん

まったくアクシーやYouTubeも関係ないけれど、自分の根本には尾崎豊さんの存在があります。

僕は子どもの頃からずっと尾崎豊さんの曲を聞き続けて、彼の生き方に憧れていました。尾崎豊さんの生き方や、彼が曲を通して伝えようとしているメッセージの意味を考えながらずっと生きています。

彼がなぜこのようなことをしているのか、ルールにしばられない生き方をしているのかを考えていて。必ずしも社会や大人たちが言っていることは、正しいというわけではなく、自分なりの答えを探さなきゃいけないんだ。そういうことを教えてもらった気がします。

それで、人とは違った生き方をしようって思ったんです。ミュージックプロデューサーや、YouTube動画投稿、トランペット奏者として活動したり、人生でずっとクリエイティブなことしかやってきませんでした。

自分の好きなことをやり続けて、それを人になんと言われようとも続ける。そのおかげでここまで来られたのかなって思っています。

ScholarsLab編集部

アクシーのアルちゃんというイメージも強いですが、尾崎豊さんに影響を受けたり、音楽にのめり込んだりしていたアルちゃんの話が聞けてとても嬉しいです!

アルちゃん

余談ですが、僕はアメリカで生まれました。親の仕事の関係でアメリカと日本を行き来することが多かったので、日本の幼稚園では日本語が話せなくていじめられたこともあったんです。

だから喋ることに対してすごいコンプレックスを持っていました。しかし、ジャズと出会ったことによって少しずつ変化がおきます。

ジャズは即興、アドリブが重要で、基本的に楽器を通して自分のストーリーを伝えます。それで口で話すだけじゃなくても、人とコミュニケーションをとる方法があると知りました。

ジャズをきっかけに、音楽仲間が増えて、自分のバンドを作って、気づいたら学校の音楽のリーダーに。そうやって自分の好きなことをやり続けてきたおかげで、自然と周りに人が集まり、今まであまり友達がいなかったのが、高三ぐらいの時に、初めてたくさんの友達ができました。

だから僕は音楽があったおかげで、新たなコミュニケーション方法を知れた。そのおかげで友達や仲間を作れて、人生が変わりました。

音楽は自分のルーツのかなりデカイ部分として残っています。今のアクシーの仕事でもみんなとコミュニケーションをとって、みんなで一緒に盛り上がりたいと思っています!

ScholarsLab編集部

本日はありがとうございました!

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