既存のGameFiでは、多額の資金調達や大手企業とのパートナー契約をしているプロジェクトも多く、ブロックチェーンゲームへの注目度の高さが伺えます。
現在、各国で多くのブロックチェーンゲームプロジェクトが立ち上がっており、日本国内でも複数のプロジェクトが進行中。
その中で、2022年には日本発のブロックチェーンゲーム特化型チェーンの「Oasys」が設立されました。
Oasysは、25億円のトークンによる資金調達に成功したことも発表しており、国内外で注目を集めています。
そこで今回は、Oasysの概要や発行トークン、他のブロックチェーンとの違いを解説します。
Oasysとは?
Oasysは、ゲームに特化した日本発のブロックチェーンプロジェクト。
「Blockchain for The Games」をコンセプトとしており、ゲームの開発者向けに作られたブロックチェーンです。
2022年の2月にプロジェクトの始動が発表され、同年7月には25億円のトークンによる資金調達にも成功。
昨日、日経新聞にて報道の通り、
— Ryo🎄OASYS (@ryomat20) July 6, 2022
OASYSでは25億円の資金調達を実施しました。
東京の家も引き払い、今年2月から単身渡米し、デンバー、SF、LA、マイアミと周り、100件くらいピッチしましたが、募集枠の1.5倍の申し込みをいただき無事クローズすることができました。https://t.co/lTDQeXkxWj
プロジェクト始動の発表から1年経たずで、大きな注目を集めていることがわかります。
Oasysの初期バリデータ
Oasysは21の初期バリデータが存在しており、バンダイナムコ研究所やグリー、セガ、スクウェア・エニックスなど大手のゲーム会社が参画。
他にも、すでにブロックチェーンゲームをローンチしているCryptoGamesやdouble jump. tokyo、MCHなどの企業も参画しています。
Oasysは実績をもつバリデータと協力し、今後のブロックチェーンゲーム業界の発展を目指すとのこと。
Oasysの特徴・ゲーム特化型チェーンとしての魅力
まず前提として、Oasysには2つのレイヤー構造(マルチレイヤー)があることを理解しておきましょう。
- Hub-Layer(レイヤー1)
- Verse-Layer(レイヤー2)
それぞれ概要を解説します。
Hub-Layer(レイヤー1)
Hub-Layerは、レイヤー1のEVM互換パブリックブロックチェーンで、コンセンサスアルゴリズムとしてPosを使用しています。
初期は、前半で解説した21のバリデータによって運用されていきますが、$OASを1,000万ステークすることで誰でもバリデータになることが可能。
OasysアーキテクチャとしてのHub-Layerの役割は下記です。
- FTとNFTの管理
- ブリッジ情報の管理
- 取引のロールアップ
Hub-Layerは、基本的に上記の用途に限定されるため、基本的にはブロックチェーンゲームなどのアプリの実行はHub-Layerでは行いません。
これにより、Hub-Layerの安全性や安定性を担保したネットワークを提供しています。
Verse-Layer(レイヤー2)
Verse-Layerは、Optimistic-Rollupを利用したプライベートレイヤー2。
Oasysにローンチされたゲームのトランザクションを処理するのは、このVerse-Layerです。
Verseコントラクトに100万$OASを入金すると、Oasys上にVerseを構築することができ、構築するとVerse-Builderになることが可能。
Verse-Builderは、Verse-Layerのノード運用を担当するため、重要な存在となります。
現状は、Optimistic-Rollupにのみ対応していますが、今後はzK-Rollupなどの他のレイヤー2ソリューションの実装も視野に入れています。
2つのレイヤーを活用しゲーム特化型チェーンに
上記で紹介したHub-Layer(レイヤー1)とVerse-Layer(レイヤー2)の2つのレイヤーを活用することで、ゲーム特化型のチェーンを実現しています。
ゲームプレイ時の多くのトランザクション数による問題の改善
DeFiプロトコルとブロックチェーンゲームのトランザクション数を比較すると、圧倒的にブロックチェーンゲームのトランザクション数が上回っています。
このため、ブロックチェーンゲームのプレイヤーが参入しやすくなるためには、ガス代が不要で取引速度が速いチェーンが求められるでしょう。
そこでOasysでは、ゲームプレイ時にガス代が不要の仕組みを構築しています。
ガス代はHub-Layerでのブリッジやロールアップで使用され、Verse-Builderが負担する仕組みのため、ゲームのプレイヤーはガス代を準備する必要がありません。
トランザクションの多いブロックチェーンゲームにとって、ガス代が不要であり、取引速度が速いことはプレイヤーにとっても大きなメリットになるでしょう。
安全性を保つために完全なパーミッションレスを排除
Oasysは、ブロックチェーンゲームの運用を行う企業が完全なパブリックチェーンを使用することはリスクがあると考えています。
実際、パブリックブロックチェーンにはスキャムプロジェクトも多く存在。
そこで、完全なパーミッションレスではない環境でブロックチェーンゲームを運用するための対策が必要です。
Oasysのプライベートレイヤー2であるVerse-Layerは、Verse-Builderによって管理され、Verse-Builderの許可がないとプロジェクトを構築できません。
この仕組みにより、詐欺プロジェクトを減らし、優良なブロックチェーンゲームプロジェクトを取り入れることが可能になります。
Oasysのトケノミクス
Oasysのトケノミクスは、$OASだけでなく、Verseトークンや各ゲームのトークンによって経済圏が構築されるマルチトークンエコノミーモデル。
ここでは、Oasysのネイティブトークンである$OASをご紹介します。
$OASのユーティリティは、下記の5つ。
- ガス代
- Verse構築のための入金
- ガバナンス
- ステーキング報酬
- Oasysエコシステム上の様々な支払い
トークン保有者によるガバナンスやステーキング報酬、ガス代など、基本的なネイティブトークンとしてのユーティリティがあります。
その他にも、OasysにVerseを構築するための入金や、Oasysエコシステム上の様々な支払い手段としても利用可能。
$OASのアロケーションとロックアップ
$OASのアロケーションは下記の通り。
- エコシステム・コミュニティ:38%
- ステーキング報酬:21%
- 開発:15%
- 早期の支援者:14%
- 基金:12%
6年後までのロックアップスケジュールが公開されています。
また、6年後にステーキング報酬の追加供給を$OAS保有者によるガバナンスによって決定される予定。
Oasys:まとめ
日本発のゲーム特化型チェーンであるOasysの特徴やトケノミクスについて解説しました。
プロジェクト始動が発表されてから大きな注目を集め、初期のバリデータにも名だたる企業が参画しているOasys。
また、チェーンの特徴を見てみると、ここまでのブロックチェーンゲームで起きた問題や課題を解決するための対策があり期待のプロジェクトです。
今後、さらにOasysを使用したブロックチェーンゲームがローンチされていく様子に注目していきましょう。
Oasys:各種リンク
公式サイト:https://www.oasys.games/
Twitter:https://twitter.com/oasys_games
Discord:https://discord.com/invite/3ysgR3yw8z
Medium:https://medium.com/@oasys
WhitePaper:https://docs.oasys.games/docs/whitepaper/intro